
石田 言行 /小泉 文明
わずか2年足らずでユーザー数7万、参加総数10,000人以上と驚くほどのスピードで成長をとげた「trippiece」今回は石田代表とキーマンである小泉取締役がその裏側を思いっきり語ってくれた。
最近、ものすごい盛り上がりを見せている「ユーザー企画投稿型のソーシャル旅行サービス」trippiece(トリッピース)。
6月には観光庁長官賞も受賞し、大手旅行会社からの提携の引き合いも次々と舞い込んでいるという話題のトリッピース社に、朝っぱらからお邪魔してきました!
■記事ハイライト
・スキル以上に、ビジョン共感を重要視したチームでありたい
・全員が「自分の理想のトリッピース」を持つスゴさ
・小さなチームのまま何も変わらない。超フラット社内体制
・ユーザーを、とことん「巻き込む」ことで見えるもの
・リピート率100%超?!驚異的な満足度を生むオン / オフ両方でのつながり
渋谷の道玄坂にあるオサレなオフィスに一歩足を踏み入れると、そこには沢山の「旅の想い出写真」がズラリ。


お邪魔するや否や出してくださったお茶は、こーんな感じの国際色豊かなカップに入って出てきました!さすが!

仕事を言い訳にここ最近押さえ込んでいた「旅への好奇心」をガッシガッシ刺激してくれる、妙に楽しげなオフィスに取材陣が浮き足立っていると……
……トリッピース代表の石田さん(左)と取締役の小泉さん(右)が登場!

さーてテンション上がってまいりました!メディア出まくりユーザー増えまくりでノリにノッてるトリッピースの成長の秘密、ガッツリ聞いてみたいと思います!
スキル以上に、ビジョン共感を重要視したチームでありたい
―石田
旅が好きだということは大前提なんですけど、それ以上に僕たちは「ビジョンに共感してくれる人」を選んでチームを作ってきました。
それはエンジニアであれ、デザイナーであれ全く同じ。「何ができるか?」というスキルセットよりもはるかにここを重要視してきたんです。

なるほど。
「旅によって、隔たりのない平和な世界をつくる」というトリッピースの掲げるビジョンに強く共感しているかどうか?を軸にチームを作ってきたから、ここまでの成長がある。。。と。
……んー?なんつーか、割とフツウじゃね?
なんて感想が頭をよぎった取材陣。
その後まもなく、次々と現れるエピソードに胸をえぐられ、興奮でフィーバーすることになるとは。。この時は全く思っていませんでした。
全員が「自分の理想のトリッピース」を持つスゴさ
―石田
トリッピースに集まった人達はビジョンに強く共感してくれている。それってつまり、皆の中に「俺の考える理想のトリッピース」があるってことなんですよね。
だから機能うんぬんの前にビジョンやバリューの部分から話がスタートする。だから上も下も無く全力議論になる。
こういうところって、すごくウチらしいなと思っています。

…スゴい。ビジョン重視ってそのレベルでの話ですか…。
ビジョンを大切にする会社。。。なんて聞くと、社員の誰に聞いても「我が社のビジョンは○○であります!」なんて同じ答えが返ってきちゃうような金太郎飴カンパニーを想像しがち。
つかもうそういうもんだと思ってました。
でも違うんですね。ビジョンに共感するってことは、言葉そのものを覚えるのではなく“自分の中の理想のサービスのカタチ”を理解するってこと。か…
石田さんに言われるまで全然考えたことも無かったっす…マジ格好いい…!
未来を想像できるかどうか。それだけで「コードの書き心地」だって変わる
―石田
例えばエンジニアなら、ビジョンを共感しているかどうかで「コードの書き心地」が全然違ってくると思うんです。
このコードの先に、どんな未来があるのか。どんな出会いがあるのか…想像しながら、ワクワクしながら、想いを込めてコードを書いて欲しいんですよ。

わ か る !(エンジニアじゃないけど…!)
ただ「これやっとけや!」て言われた仕事やってるだけじゃ絶対味わえないワクワク感ってありますよね!どの仕事やっててもそれはありますわ!
石田さん曰く、トリッピースではエンジニアであれデザイナーであれ、全員が何かしらの目標数値にコミットして「サービスの作り手」として主体的に動いているんだとか。
そりゃそーでしょうね。だって皆ハートに「俺の理想のトリッピース」を持ってるわけですもん。こだわりが違いますよね。
―石田
そうなんです。最近じゃ、僕がいなくてもサービス開発はノンストップで進んじゃってて
もちろん最終的な決定は僕がやるんですけど、良い意味で好き勝手進んでいる感じですね。

いやー…いいなぁ…良い仲間がそろってるって感じっスねぇ…。
ふとオフィスを覗くと、さっそく社員の皆さんが集まって何やら真剣な様子で会話を進めている様子も。
ちょうど伺ったのが11時頃だった事もあり、フレックスタイム制を採用しているトリッピースのコアタイム(議論白熱タイム)だったみたいです。
しかし……そうは言ってもここ最近の過熱ぶり。サービスが拡大していくにつれて、開発体制やら何やら、変化せざるを得ない部分とか無かったんでしょうか?
小さなチームのまま何も変わらない 超フラット社内体制
―石田
確かにサービスは急拡大していますが、中身は何も変わっていない気がしますね。
もちろん人数は増えていますし、今後社内のコミュニケーションの仕組み化等は進めていなかければいけないけれど、根本にある個々人のスタンスは全然変化してないんですよ。
むしろ変わらないでいられるよう頑張ってるって感じです。

……か、変わってないんだ。。。
この機能を叶えるために開発体制を変えよう。だとか、ユーザーからのこういった要望が多くなってきたから、コンセプトをこう変えよう…。
そんなブレは、トリッピースでは起こらないし起こさない。と。
あくまでもビジョンから生まれてビジョンを軸に走り続けるサービスだからこそ、軸が動かないのでしょうね。
―石田
そうなんでしょうね。
現に、社員全員が同じ目線でビジョンを追っかけているから経営陣と社員の壁が全然無いんです。
今も昔も、僕の意見がひっくり返っちゃうことが頻繁にあるし、そうあるべきだと思っています。

……か…格好ぇぇえ!
組織体系をピラミッドにすることで効率化を求めても、それじゃ「隔たりの無い世界を作ろう」としているトリッピースらしくない。
だからカタチだけじゃなく本当にフラットな組織を作る必要があった。
いやはや、言うは易し行うは難し。ですよ。普通じゃない。でも理想がここにある。石田さん、すっごいなぁ……。
ユーザーを、とことん「巻き込む」ことで見えるもの
―石田
社内であーでもないこーでもないと議論が白熱したら、そこにトリッピースのコアユーザーを呼んじゃう時もあります。
何しろウチのコアユーザーって社員や役員と一緒に旅に行ったメンバーだったりするので、呼んだらすぐ来ちゃうんですよ(笑)

ええ?!ユーザーを社内会議に巻き込んじゃうんですか?!
「ユーザーと一緒にサービスを作る」「ユーザー目線に立ってサービスを作る」なんて言う会社は多いですけど……
それでも実際にユーザーを開発現場に呼んでガチ議論しちゃうなんて会社、多分他には無いと思う!
聞けば、社員の皆さんもトリッピースで旅を企画したり参加したりしているので、コアユーザーの皆さんとは「すっかり気心知れた旅仲間」になっちゃっているそう。
をいをい … 「気心知れている」ってレベルじゃないだろぅ…!
ユーザーから贈られた「歌」という名のビジョン
―石田
トリッピースがビジョンを大事にしてるって話は今お伝えした通りなんですが、これって実はユーザーさんも感じてくれているみたいでして…。
とりあえずまずはこの曲、聞いてみてもらえませんか?

―石田
僕コレ夜中に聴いて思わず泣いちゃって。
曲を作ってくれたのは、トリッピースのライトユーザーの方と、たまたま代々木公園を通りがかったマンドリン弾きの方。
ただそれだけの関係なのに、僕らがサービスを通して伝えたいビジョンが、歌詞の中に見事に編み込まれていたんですよ。
そういって石田さんが流してくれた曲のタイトルは、ズバリ「虹」
歌詞の詳細はYouTubeのコメント欄で確認してもらうとして、直接曲を聞かせてもらった取材陣は半ばボー然。。
ただサービスを利用しただけの、会ったこともないユーザーがサービスのビジョンを理解して、自分達の言葉に置き換えて歌にしてしまうなんて……!!!
すっげぇ…もう、すっげぇ しか感想が出てこないっス。
旅へ行けば心に届く 心に宿る トリッピースのメッセージ
―小泉
トリッピースというタイトルで、旅の動画を作ってくれるユーザーさんも多いんですよ。
旅で得た出会い・喜び・感動を最大限に表現してくれていて、僕らも見ていると本気で感動してしまうんです。BGMがアーティストさんのものなので、シェア出来ないのが残念なんですけれど(笑)

そう嬉しそうに語る小泉さん。動画を見せていただいた取材陣は今度こそ涙腺が崩壊しました。無理…!これ泣く!
頼まれたわけでも、教えられるでもなく、旅に出かけたユーザーそれぞれの心に自然とトリッピースの伝えたいメッセージが宿って、育っている。
そんなイメージが動画からビシビシ伝わってくるんですよ!

サービスを利用したユーザーが知らず知らずのうちに伝道者になっちゃっている。
「旅は、世界をひとつにするんだ」旅で得たそんな実感をひとりでも多くの人に伝えようとしている…。
これまでの「値引きありき」な旅行会社のサービスじゃ起こりえなかった事が今起こっている。。。
なにここ、なんかドラマの中に来たみたい…鳥肌ヤバイっす。
リピート率100%超?!驚異的な満足度を生むオン / オフ両方でのつながり
―小泉
旅行回数(2回目以上の旅行回数/1回目の旅行者回数)という観点で言えば、トリッピースユーザーのリピート率は100%以上。
実際に旅に行けば、トリッピースが提供する価値を心で理解してくれるんですよね。
確かに「旅に行こう!」と思っても、身近で旅仲間を見つけるのって、結構難しいもの。予定も合わなきゃ、行きたい場所も違っていたりして。
その結果、一人旅を決行してみたら、旅先で最高に気が合う仲間と出会えたりもして……。
若かりし日のちょっと懐かしい記憶を探ってたら、全力でトリッピースの旅に参加して仲間を作りたくなってきてしまいました。
―石田
僕ら発信でユーザーを招いてユーザーパーティーを開くこともあるけど、トリッピースで旅をした者同士、コミュニティができちゃうんですよね。
それぞれ勝手に飲み会を開いたり新たな旅に行ったりと、楽しんでいるみたいです。

―石田
オンラインを超えた、こうしたオフラインの絆やつながりが生まれていくことは僕らにとってとても嬉しいことだと思うんです。
僕ら自身、そこに大きなやりがいを感じていますね。
「そのうちリアルなコミュニティづくりの場として、ゲストハウスやカフェを作るのも楽しそうだよね!!」
なんて、まるで子ども見たいに楽しそうに話をするお二人。
トリッピースがこれから起こしていくイノベーションがもぅ楽しみで楽しみでしょーがなくなってきました。
気になるトリッピースのこれから。次はどんな事を企んでるんでしょう?
2014年 シンガポールから世界へ
―小泉
現在、海外展開に歩を進める段階に入り、2014年頭にはシンガポール展開も控えています。
海外からのアクセスも少しずつ増えていて、最近だとメディア露出の影響もあって台湾からのアクセスがすごく増えてますね。

まずは海外 to 日本という旅人の流れを作り、その先は海外から海外へとダイナミックに動かしていく。そんな計画なんだとか。
髪の色や肌の色、宗教も超えて、旅の感動を共にする。
近い将来トリッピースが実現するそんなシーンを思い描くだけで、なんだか目頭がアツくなってしまいます。
世界各国からトリッピースの歌が出来たりして。ひょっとしたら映画が出来ちゃうかもしんない。なんて妄想は膨らむばかりですね。
最後にお二人からメッセージ

―石田&小泉
言葉にするとちゃっちくなってしまうけど、僕らは割と本気で旅という切り口で世界を平和にしようとしています。
もし旅が好きで、ちょっとした違いによる争いや差別が格好わるいと感じるなら、ぜひ僕らと一緒に世界に出てみませんか?
トリッピースのビジョンに共感してくれたなら「応援する」ボタンを。一緒に走ってみたいと思ってもらえたなら「話を聞いてみる」ボタンをクリックして貰えると嬉しいです。
僕らは、全力で歓迎しますよ。
限りある与えられた人生を、使命感を持って生きているお二人、そしてトリッピースの皆さん。
彼らの本気は、本当に世界を変えてしまいそうに見えました。ひたすらに格好いい……!(歳取ると涙腺が緩くなって困るわぁ…)
株式会社 trippieace(トリッピース)の会社概要
会社名 | 株式会社 trippieace(トリッピース) |
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代表者 | 代表取締役 石田 言行 |
設立 | 2011年3月31日 |
所在地 |
〒150-0046
東京都渋谷区円山町5-5 Navi渋谷V-10F |
事業内容 | みんなで旅をつくるサービス「trippiece」トリッピースの開発・運用 |