
LIGが良いチームであり続けるために、僕らが考えていること。
それは実は大したことじゃぁ無いんですよ。
突如として始まったFind Job!の新企画「気になる会社へ直接訪問」
今回は100万PVを超える自社メディアを育て上げ、業界における話題性と人気を一気にさらっていった制作会社LIGに突撃取材。
奇抜でユニークな企画を生み出し、実行に移せてしまうこのチームはどのように作られたのか。気になるポイントを聞いてきました。
訪問先:株式会社LIG 吉原ゴウ
2007年発足のWeb制作会社LIGの副社長であり、人事担当。「伝説のWebデザイナー募集」や「秒速結婚事件」の仕掛け人としても有名。今回は誰もが「仲間に入りたい」と思ってしまう脅威のチーム作りのコツについて聞いていきます。
■LIG副社長 吉原ゴウ氏が明かす、チーム作り戦略
01 : 仕事とプライベートは分けない!
02 : 自己満足という信念が企画を通す!
03 : ブログの更新は業務のひとつ。アウトプットを“強制”する
04 : 気の合う友達を探すように、一緒に仕事する仲間を探す
01 : 仕事とプライベートは分けない!

何でも答えますと言ってくれたゴウさんのお言葉に甘えて、さっそく質問タイムいってみましょう。
――どうやって今のこのおもしろチームを作ったんですか?
仕事とプライベートの境界を取り払った。それだけです。
LIGでは、何も「面白い奴だけ採用しよう」なんて基準があるわけでは無いんです。だから面白い企画を出せる人間を厳選して連れてきたというよりも、いつの間にかそうなっていた感じ。
僕自身の方針として、プライベートを仕事と切り離して考えずに「仕事にプラベートの面白い事をどんどん入れてっちゃおう!」とやっていたら、メンバーの皆が覚醒していった。というのが本当の所なんだと思います。

社員だけではなく取引先まで巻き込んで本気フットサルを楽しむ!なんて事も
確かに考えてみれば、休日の予定を立てるのはワクワクするのに、仕事のスケジュール管理は面倒です。しんどいです。逃げ出したくなります。やってることの本質は一緒なのに…です。
「自分のやりたいこと≒プライベート」の部分を仕事に持ち込んでOK!なら、そのためのスケジュールを書くのはきっとワクワクする体験になるはずですね。
――では具体的にはどのようにプライベートを仕事に持ち込んでいるんでしょうか?
やりたい!を基準に考える事を大切にするんです。
「失敗しないもの」や「利益のでるもの」を追い求める、いわゆるマーケティング的思考”だけ”ではなく、普段プライベートで考えているような思考こそ大事なんです。
「あそこ行ってみたい!」「あのゲームやってみたい!」などといった願望を企画にして実行してしまうことが、結果的に良い企画といい仕事を産むのだと思っています。

「面白い道案内ムービー作りたい!」と思ったらすぐこんなものを作るのもLIGならでは。
そうかと言って、すぐにマネできるようなことではありませんが、LIGが提供するおもしろコンテンツの秘密にちょっと触れた気がしました。
誰だって「マーケティングデータを元にROIを最大化する面白ネタを考えろ!◯日までに!」とか言われても無理ですもん。。
楽しい仕事を追求することで、離職率が大幅ダウン

※写真はイメージです。実在の退職願とは何の関係もありません。
――唐突ですが、LIGの離職率ってどうなんでしょう?
仕事のハードさの割にかなり低いと思います。
Webベンチャーであるため、納期によってはかなりハードに働くこともあります。が、その割にLIGの離職率はかなり低いんですよ。
「楽しくないけれど定時にあがれる仕事」と、「きつくても楽しい仕事」だったら、後者の方がずっと良いはず。
”お金だけ”のつながりではなく「楽しさでつながる」チームを目指したLIGだからこそ。なんて思っています。
もしも会社と社員のつながりが”お金だけ”だった場合、「辞めないだけの給料」と「クビにならないだけの働き」でだましだましやるしか無くなってしまう。
ゴウさんは、LIGをそういう会社にしたくなかったのだと語ります。
「楽しさ」で両者がつながり、もっと仕事を一緒に楽しんでいくために。
目先の効率化を求め、スキルに対価を支払うよりも、社員が仕事を楽しめる環境づくりに注力する事を重要視したと。
確かに。中長期的に見ればそっちのほうが効率的ということなのかもしれませんね。
02:自己満足という信念が企画を通す!

仕事にプライベートを持ち込む!という通常の会社であれば、とても受け入れられないような考えを語ってくれたゴウさん。企画力についての質問に対する答えもやっぱりビックリさせてくれました。
――LIGはどうやって次々とおもしろ企画を立てているんですか?
楽しいか楽しくないかの基準を自分自身に置くよう徹底しています。
LIGでは、仕事における「自己満足」をかなり重要視していて、「自分が楽しいと思えない上に結果も出ない」なんて仕事をするくらいなら、「結果が出なくとも自分が楽しめる仕事」をするよう心がけているんです。
自分が“楽しい”と自信を持ってやり抜いた仕事なら、その経験ひとつひとつがノウハウとなり、チームの成長へと繋がる。僕はそう思っているので。

「だって楽しいじゃないか!」その一言で強引に決めたアドテック東京×おばけ屋敷…。
もはやアドでもテックでも無いのに、大きな話題となり結果としてプロモーションは大成功したとか。
LIGの経営理念である「わくわくをつくり、みんなを笑顔にする」この理念の中にある「みんな」には、必ず「自分自身」を含めて考えないとダメなんだとか。
自分が楽しい、面白いと思っていないものは出さない。楽しいふりをしても、面白いふりをしても、読み手にはバレるし、ウケるはずが無い。
ゴウさんの言う「自己満足」という言葉には、自分が満足していないものを世に出してはいけない。そんな事をしても誰も幸せにならない。という強いメッセージが含まれているんですね。
03:ブログの更新は業務のひとつ。アウトプットを”強制”する

LIGを一躍有名にした要因といえば、面白ネタに溢れた自社ブログ。実はこのブログ、エンジニアやデザイナーなどの役職に関わらず、なんと「月に1記事の更新」が全社員の業務に含まれているそうなんです。
ただでさえ多忙な制作の現場で、なぜ半ば強制までさせてまで書かせるのか?早速聞いてみると以外な答えが…。
――なぜ全社員に強制を?手の空いている人間に任せるか、専任を付けたほうが良さそうな気もしますが?
全員で無ければダメなんです。本来、メンバーの育成のためのツールですから。
自分の中にインプットしたことを、整理し記事としてアウトプットすることで、どの職種にも必要とされる“人に物事を伝える力”が身に付きます。
社員全員にこのスキルを身につけてもらいたい。成長してもらいたい。LIGのブログは本来そのために存在しているんです。

ネタ系の記事が多いように思われがちだが、実は全記事の8割が真面目なナレッジ系というLIGブログ。
なんと…!単純なノリとかでもっと適当にやってるもんだと思っていましたが、これには驚きです。
確かに、インプットした知識はアウトプットして初めて自分の知恵として身につくものとは言いますが、それを100万PVを超える大事な自社メディアを使って社員に伝えていたとは。
当然、会社のブログに下手なことは書けないでしょうから、社員は自分の番が来るまでに多くの知識をインプットする。
そして仕入れた知識はブログでアウトプットして「使える知恵」としていく。
非常に効率的な社員のスキルアップを「ブログ執筆の強制」というルールによって実現していたんですね。
04 : 気の合う友達を探すように、一緒に仕事する仲間を探す

ゴウさん曰く、足りてないスキルを穴埋めするように採用していては、企業文化は育たない。だから成長を求めている人を集め、組み合わさったときのイマジネーションを持つことで、ブレることなく良いチーム作りが実現できるんだとか……
――具体的にLIGが積極的に取りに行っているのはどんな人ですか?
1.LIGのことが好きな人
2.会社の今の輪に入ったときに、違和感なく溶け込める人
3.こうありたい、こうなりたい!という気持ちのある、成長を望んでいる人
4.ちょっと妄想癖があるくらいの妙な事考えちゃう人
――?…これだけですか…? 学歴は?スキル要件は?コミュニケーション能力は?

学歴やスキル、コミュニケーション能力より”合う”かどうかです。
技術的なことや、社会的なマナーなど教えられることはさほど重要視していません。そんなものは入ってから教えればいいのだから。
それよりもずっと重要なのは「個人のセンスや雰囲気、人柄」などの教えたくても教えられない部分が”合う”かを重視しています。
――まるで友達を探しているかのようですが、それで人事…というか、チーム作りは上手く行くものなのでしょうか?
僕はLIGで、友達とやる仕事の楽しさを証明していきたい。
友達と仕事したら楽しい。僕はそう感じたから友達と起業しました。
でも当時、誰もが「友達と起業しても上手くいかない」と僕を止めようとしたんです。
だからLIGは「そんなことない!」という事を証明する会社でありたい。
僕が探しているのは、文字通り”一緒に仕事できる友達”なんですよ。
なるほど。確かに友達を探すときにスキルやら学歴やらは関係ないですね。
仲の良い友だちが集まって仕事をする。その楽しさと正しさを証明するために多くの逆境を乗り越え、LIGという親友の集まりのようなチームを作り上げたと。
スキルより何より「合うかどうか?」を重視する理由、胸に響きました!
全てにおいて、わくわくし、楽しむことにこだわり、目先の効率化よりも中長期的にみた先のビジョンを追い求め、社員が楽しんで仕事を出来る現場作りに注力する。
それが仲間と良い友人関係を築き、やがて良いチームとしていく秘訣なのかもしれませんね。

社員の皆さんが楽しそうに仕事をしていたのが印象的でした。
まるで友達の家に遊びに行くように、何度でも行きたくなるLIGのオフィス。あなたも気軽に行ってみませんか?
「応援する」でゴウさんやLIGの考え方にエールを送ったり、「話を聞いてみたい」をクリックすれば、あなたもゴウさんに会いに行ける・・・かもしれませんよ。
株式会社LIGの会社概要
会社名 | 株式会社LIG |
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資本金 | 10,000,000円 |
設立 | 2007年6月 |
所在地 |
〒110-0015
東京都台東区東上野2-18-7 共同ビル 10F |
TEL | 03-6240-1253 |
事業内容 | ウェブサイトの企画、開発|各種システム開発|ウェブマーケティング業務 コンテンツ開発|自社メディア運営 |
撮影/執筆/編集:Find Job!×LIG会社訪問部
中村健太(Find Job!)、永井勇成(LIG)、柳さわすけ(LIG)を中心に結成された特設編集部。ちなみにメンバーは微妙に安定していない。会社訪問に行くたびにザワザワしてしまう少々惚れっぽい男たちで構成されたため、いつ離散してしまうかが目下一番の心配事。