
株式会社ジェイティップス
Webディレクター 信楽 圭子さん
今回お邪魔したのは、原宿駅からほど近くにあるジェイティップスさん。
人通りのにぎやかな通り沿いのビルにある会社さんです。
平成13年に創業したジェイティップスさんは、Web制作・Webコンサルティング・インターネットメディア事業の3本柱で成長を続けてきた会社です。
もともとは紙媒体や展示会運営なども手がけていたそうですが、時代の流れを受けて現在ではWeb制作を中心に運営されています。
カーシェアリング比較360°や外国人技能実習360°など注目が集まっているサイトも運営されているんですよ!
さて、そんなジェイティップスさんに14年前に入社をしてきたひとりの女性がいました。
それが、今回インタビューを受けてくださった信楽 圭子さん。現在は制作リーダーとして3事業すべてに関わっています。
入社のきっかけは、なんと弊社媒体「Find Job!」から!これはぜひ話を聞いてみたい…!
ということで、現在携わっている仕事をはじめ、ご自身のキャリアで大切にされていることなどなど、インタビューしてきました!
ディレクターがみんなの仕事をスムーズに回す
信楽
Web制作リーダーとして、3事業すべての制作にディレクターとして、関わっています。受託案件を中心に、スケジュールの把握や、品質のチェックなどを行っています。新規サービスの開発にも携わったりもしますね。
もともと好奇心旺盛な性格で、いろいろなところに首をつっこんでいくのが好きなんです。それが高じてディレクターになった、といっても過言ではありません。
具体的にはどんなものを手がけているんですか?
信楽
プロモーションサイトやオウンドメディアの制作が多いですね。業種も住宅設備・建築系・商社といった固めのクライアントさんが多いです。
そのため、デザインを重視した見た目の良いものを〜というよりも、使いやすさや実用性にフォーカスしています。
なるほど。より使う人の側に立った制作を心がけていらっしゃるんですね。
信楽
はい。そうなんです。お客様のお客様、つまり「エンドユーザーを見据えたサイト作り」は常に頭の中にありますね。目先の利益を考えるのではなく、本当にエンドユーザーのためになるサイトは何なのか?それをお客様と一緒に考えていきます。
その方向性って、頭ではわかっているんですけど、お客様側にとっては理解しにくい部分もありそう。たとえば意見が対立した時はどうするんですか?
信楽
対立、ということはないですね。私はお客様から言われたことに対して、反論はしません。一度受け止めて、そのうえで違うアイディアが必要な場合はプランBとして提案します。
もしプランBが必要になった場合には、デザイナーなどにもう一案お願いすることもありますね。
そうなんですか…それはすごい。社内のスタッフにお願いできるって地味に気を遣う作業だと思ってました…。
信楽
あはは、もちろん言い方には気を付けますよ(笑)。「こんな案件があって、先方からこう言われているんだけど、どう思う?」とか、「新しく一案出したいんだけど、もう一案お願いできますか?」とか。
ただ、社内のスタッフ皆が同じ部屋にいるので、コミュニケーションはしやすい環境だと思いますね。
クライアントだけではなく、作り手にも当然言いたいことはあるんです。デザインするうえで思いがあるから。だから、話し合いの場でデザイナー自身がどうしたいと思っているのかを聞き、要望を拾い上げる努力はしています。
そして結果的にクライアントも、作り手も満足のいく結論を導き出すのがディレクターの役割だと思っています。
デザイナー志望でなぜか、「Webディレクター」に
まったくの未経験からWebディレクターにチャレンジしたと聞いています。前職は、何をされていたんですか?
信楽
前職はCDやDVDの卸会社で働いていました。その会社で、私は新規売り先を探す営業をやっていました。5年くらい勤めた後、家業を手伝わなければいけなくなり、仕事をやめ、一旦実家へ戻りました。ただ、社会から離れてしまったような気がして、だんだんさみしくなってしまったんです。
そこで空き時間を使って、パソコン教室の講師とCD屋のPOP制作の仕事を始めました。これが面白かった!「パソコンも好きだし、デザインするのも好き」という自分に気付き、「Webデザイナーになる!」と思ったんです。いや、スクールも通っていないですし当然未経験ですよ(笑)。
そんな折、実家の方も落ち着いたので、東京へ行ってWebデザイナーの仕事を探そう!と思ったんです。で、思い立って上京。まだ何も決まっていないうちからです。バイトでもなく、派遣でもなく、正社員を探したくて、いろんな転職サイトを見ました。その中でもIT関係に強そうだったのが「Find Job!」でした。
エリアを絞り、面接に行ったのがウチの会社です。
それで見事内定、入社となるわけですが、デザイナーではなく…
信楽
Webディレクターで、です。デザイナー志望で行ったのに(笑)これは後から言われたのですが、社長はデザイナーではなく、違う可能性を感じていたそうです。言われてみると面接時、私の方からどんどん質問したり意見したりしていたんです。
そのコミュニケーション能力の高さを買ってもらえたんですね。入社後は、コーディングやWebデザインの基礎を学びながら、ディレクションの仕事を覚えていきました。ある大きなプロジェクトで機会に恵まれ、そこからディレクターとしての一歩を踏み出しました。
まさに大抜擢ですよね!緊張したり、不安だったりしませんでしたか?
信楽
ただただ夢中だったので、あまりそのあたりは考えませんでしたね。「もうダメだ!」と思った時に周りがサポートしてくれたのが大きかったと思います。困っています!と声を出すということは大事だなと思いました。
そのため…というわけではありませんが、良いことも悪いことも自然に共有できるように、普段からの何気ない「会話」を大切にしています。
ふところの広い会社だからこそ、自由に成長できた
Webディレクターとして14年勤務され現在ではリーダーとして活躍されていますが、御社の魅力はどういうところにありますか?
信楽
まず一番に挙げられるのは「ふところの広い会社である」というところですね。
私自身の経験で言うと、未経験にも関わらず「Webディレクター」として様々な機会をもらえたことです。私の特性を活かして仕事をさせてもらえたからこそ、今のポジションがあると思っています。そういう意味ではもちろん会社にも、そしてお客様にも育ててもらいました。
こちらは同社のオウンドメディア「EnglistA(イングリスタ)」で、英語とワインという体験会に参加したときの一コマ。
おいしいチーズとワインを飲みながら、楽しく英語を学んだ様子を記事にされています。さらに、サービスづくりやクリエイティブのアイディアをつかむため、3年前にアメリカのサンフランシスコへ視察に行かせてもらったのだとか。
専門領域であるディレクションだけにとどまらず、さまざまな挑戦をさせてもらえる環境、素晴らしいですね!と取材陣。「はい、でもそれだけじゃないんです」と信楽さん。
信楽
もう一点、挙げるとするならば「良いと思った企画を実現できる土壌がある」点でしょうか。
と、言いますと…?
信楽
ある時、インターンの子たちが「シェアカーで地域を巡るスタンプラリー」を企画したんです。記事を書いてくれるんだったら、という条件で会社の予算を出しましょう、と実現したことがありました。その他にも社内の餅つきイベントを企画し、みんなで餅をついたこともありましたね。
信楽
とにかく「良い」と思ったものにはたとえインターンの子が出した案であってもチャレンジさせてくれる、協力的な環境だと思いますね。
自分の思いを実現できる環境がある!と思うと企画立案にも熱が入りそうですよね。
信楽
いろんな可能性に寄り添ってくれる会社だと思います。創業から間もなく18年を迎えますが、弊社は第二創業期に入り、変化を続けています。これまでやってこなかった領域にも踏み出し、新しい事業、新しいサービスを立ち上げようとしているまさに真っ最中です。
チャレンジングな部分もウチの魅力ですね。今後、弊社がどう変わっていくか、そんな面白さも秘めています。
会話のコミュニケーションを怠らない、信楽流ディレクション
そのような会社で着実にキャリアを積んでこられた信楽さんですが、ディレクションをするうえで心がけていること、クライアント様との関係で大事にしていることってなんですか?
信楽
私が意識しているのはコミュニケーションを取る「タイミング」ですね。普段は電話やメールで連絡を取り合っていますが、「ここは!」と思った時にはクライアント先に出向いて、会話によるコミュニケーションを大事にしています。
実際に会うことで担当者がどんなポジションに立っているか、会社自体がどんな状況なのか、どんなサービスを生み出しているのか…など、言葉の奥に隠された意図を汲み取ることが必要な場面があるんです。
言われたことをただまっすぐに信じるだけではなくて、いろんな視点から見てみる。バックグラウンドを把握することをすごく大事にしていますね。
正しく把握し、そのうえでデザイナーやエンジニアたちと連携していく。関わる人たちが最大限に活きる方法を見つけるのが、ディレクターの本質的な役割かもしれないですね。
ディレクションをしていて、苦手だと感じる事ってないんですか?
信楽
「苦手」と感じることはほとんどないですね。どんな業種にしろ、興味や好奇心を持って取り組むことができるのが私の特技ですから(笑)。もちろん、業種によって苦手分野はあります。ただし、苦手で終わらせないことが腕の見せ所、ですね。
受託案件と違って、自社案件を進めていく難しさはどんなところにありますか?
信楽
メディア運営は別の難しさがあります。売上に直接的に結びつかないからこそ、コンバージョン率をどこに落とし込むかまで考えてコンテンツをつくり上げていきます。求められる情報を提供する、というエンドユーザーを意識したサイト作りは受託案件にしろ、自社案件にしろ変わりません。
オウンドメディアを持つ理由ってなんですか?
信楽
理由としては、私たちが今持っている技術や、温度感を伝えるというのが一番大きいです。ウチだったらここまでできる、というクリエイティビティを見せる場でもあります。自社的には、情報収集や技術力の出せるトライアル的な場にもなっていますね。
チャレンジ精神が隅々にまで行き渡っている感じがします…!
信楽
そうですね。どんなサイトを作るにしろ、誰に・何を伝えたいのか?という部分を常に考えています。時間をかけてサイトを作るわけですから、やっぱりターゲットに合った方に見てもらいたいじゃないですか。
自社案件・受託案件を含めて、お客様からコンバージョンの有無や、サイト面の良かったこと、悪かったことのフィードバックを沢山いただけるので、そのナレッジは携わったメンバーと情報共有しています。
つい、私なんかはSEOを意識しすぎたコンテンツ作りに傾きがちなのですが、そうすると誰に書いてるんだろう?となる時があります(苦笑)
信楽
もちろんSEOは意識しますよ(笑)。ただ、検索エンジンのためにサイトを作っているわけじゃありません。コンバージョン率など、数字はもちろん追いかけますが、最終的にはサイトを見て、使ってくれる人のために作っている、という意識を忘れないようにしています。
オン・オフの切り替え無しで自分らしくキャリアを積む
ディレクターとして大切にされているポリシーってなんですか?
信楽
う〜ん、ポリシーですか。そうですねぇ、敢えて言えば、生活と、仕事を切り離さないこと。オン・オフの切り替えをしないで常にフラットでいることですね。
オン・オフがない…!?タイムカードがオン・オフの切り替えになるっていう人も多いと思うのですが…?
信楽
弊社の企業理念は「Good web site for Good life」。良いサイトを作るためには、生活の中でどんなサイトが望まれているのか、生活者としての感覚がとても大事なんです。例えば住宅設備系のサイトだったら、普段使うキッチンや水回りが、表現のバリエーションにつながりますよね。
なるほど…。敢えて仕事と生活を切り離さない、ってことなんですね!他に表現のバリエーションを広げるために行っていることってありますか?
信楽
特別なことは何もしていないです。メディアを見る、ひとりで町を歩くだけでも十分知識や情報のストックができますしね。ぶっちゃけると、その情報から特に深堀りする必要はないんです。まずインプットする、というところに意識を持っておくこと。それこそがディレクションに活きると思っています。
最後に、今後どのようにキャリアを積み上げていきたいと思っていますか?
信楽
会社の中で十分キャリアはいただいたと思っているんです。ひとつ足りていないことを挙げるとすると、「個人を出していくこと」ですかね。欲を言えば「信楽圭子に頼みたい」という仕事を受けていきたいと思っています。
信楽さんだからこそできる、仕事ってズバリなんでしょう?
信楽
Web制作のクライアント側も、制作者側も経験してきました。両者の立場を考えたうえでのスムーズな制作ができると思います。制作者に対して、あるいはクライアントに対してどのように伝えていけば、スムーズに回るのか。教育的な面も含めてお伝えできると思っています!
笑いを交えながら、あっという間に取材の1時間半が終了。
信楽さんの持つパワフルさと優しさに包み込まれた取材となりました。
信楽さん、ありがとうございました!
会社名 | 株式会社ジェイティップス |
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代表者 | 川口 環 |
設立 | 2001年8月 |
所在地 | 〒150‐0001 渋谷区神宮前3-27-15 HIサンロード原宿ビル2階 |
事業内容 |
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サイトURL | https://www.j-tips.co.jp/ |