
木村 雅幸(通称:ジェイ)
初代LIG広報担当。2013年2月にLIGを引退後、現在はドワンゴモバイルで活躍中。今回やや強引に参加を依頼したにも関わらず、快く案内役を引き受けてくれた。
今回は銀座歌舞伎座に移転したばかりのドワンゴ本社にお邪魔してきました!
ニコニコ動画を中心に、常に業界の話題と文化を作り続けてきたトンガリまくりのこの会社。正直取材OKと言われた時は諸手を上げてバンザイ三唱で喜んだものです。
■記事ハイライト
・社員のやる気第一主義!フリーダムすぎる勤務体系
・企画にNGを出さない!?事業推進セクションの考え方
・新しい発想はいつも社員間のユルいコミュニケーションから
・作れる人より作りたい人。もっと良いのは作って失敗した人
というわけで早速、会社訪問スタート!

やたらクールなエントランスを抜けると…

すぐに見えてくるなんだかワクワクするスペース!!

今回の案内人である元LIGのジェイさんも登場です。
ギターにボードゲーム、メガドライブからPS3まで古今東西のハードが揃うゲームエリア、アメリカのドラマで見たことあるようなカワイイ椅子のあるブレストルームなどなど・・・
入って早々目に入るアレコレから、やたらと楽しそうなイメージばかりが見えてしまうドワンゴですが、果たしてその実情と真意は?!頼れるナイスガイ、ジェイさんに案内していただきました。
ジェイ
ようこそドワンゴへ。実は俺が所属しているのはドワンゴモバイルのほうだったりするけど、今日はドワンゴのクリエイティブなアトモスフィアについて紹介するよ。

早速、噂の女子マネとキメキメなショットを披露してくれたジェイさん。サマになりすぎていてちょっと悔しいですが、まずは女子マネ制度の裏側と本当の意図について紹介してもらいました。
社員のやる気第一主義!フリーダムすぎる勤務体系
ジェイ
もともとドワンゴのエンジニアはAM10:30の時点で20%くらいしか来ていなかったらしい。それがLovely Blossoms(女子マネ)が来るようになって随分早く来るようになったんだ。

朝の出社率を劇的に向上させたという、女子マネによるラジオ体操
なんと・・・。噂に聞いてはいましたがやっぱり凄まじいですね。
社員のやりやすいようにさせる事がクリエイティブな思考を作る!とした、極めてドワンゴ的な考えに基づいた裁量労働制らしいですが、出勤時間の縛りが本当に無いんですね。正直心の底から羨ましいです。
女子マネ弁当に隠された真の意味「強制しないルール」とは?
ジェイ
ただルールで縛り付けるやり方はCoolじゃない。皆がナチュラルに「朝行こう」と思えるよう仕向けるのがドワンゴ流だ。新しい発想は自由から生まれると皆分かっているからね。
そう、分かっているんだ。

ラジオ体操に参加してスタンプをもらうと、お弁当が無料でもらえる
上述のような裁量労働制により、「部署間やエンジニア間のやりとりに時間がかかってしまう」という問題点を抱えてでも、ドワンゴが大事にしたもの。それが社員の自由から生まれる発想の価値だそうです。
裁量労働の制度そのものは残しつつ、社員の自由意志で「朝会社に行きたい」と思ってもらおうと考えた結果、生み出されたのがこの女子マネ弁当制度なんだとか。

一見するとただのネタに見えてしまう「女子マネ弁当」という制度に、ドワンゴが社員に掛ける期待とポリシーを感じますね。
(…なんて羨ましいんだ…!)
女子マネ弁当制度の取材を終えると、お次はジェイさんのインタビューへ。
彼自身も非常に驚いたという、ドワンゴモバイルの企画手法と、社内の雰囲気について語ってもらいました。
企画を後押しする。ドワンゴモバイルの事業推進セクション
ジェイ
信じられるかい?俺のいるドワンゴモバイルには「企画のダメだし」が存在しない。
唯一あるとすれば、その企画を一緒に「なんとかしよう」と考えてくれるチームだけ。素晴らしいだろ?

なんですと・・・!
通常、どこの会社でも「企画を立ち上げる」というフロー上には
企画の立案⇒プロジェクトスタートの間に「企画そのもののダメだし」や「企画の問題点ツッコミ」といった泣きたくなるような辛く悲しいフローが存在します。
しますよね?普通。。。

ところがジェイさんのいるドワンゴモバイル社内においてはこの限りでなく、「事業推進セクション」が、企画実現に向けた課題把握と解決策考察を、立案者と一緒になってやってくれるんだとか。
ぐぅぅぅおおぉぉ・・・なにそれ!もはや悔しい!
なるほどと言うかなんというか、それくらいの懐の深さがあって初めて「誰も思いつかなかったような企画」が生みだされていたんですね。納得です。
新しい発想はいつも社員間のユルいコミュニケーションから
ジェイ
ドワンゴの社内には、社員同士をつなげるための仕掛けがたくさんある。多くのアイデアが雑談のようなユルいコミュニケーションから生まれることを、彼らは知っているからね。
そう、知っているんだ。


吹き抜け階段から見えるオープンなオフィス
ドワンゴのオフィスは11〜13階の3フロア。そこにはビル備え付けのエスカレーターとは別に3フロアをぶちぬく階段が作られています。それもオフィスの真ん中に。
実際使ってみると分かりますが、オフィスや部署間にどうやっても存在してしまう「心理的な壁」がすごく低く感じられるんです。
そしてこの階段のせいなのか、あるいは裁量労働のような体制のせいなのか。
ドワンゴの社員さん達はなんだか皆さんやたらと仲が良いご様子。

取材中もカフェテリアの一角で突如狩りに出かけるハンターの群れに出会うことができました。
こんな所から次なるプロジェクトのチームメンバーが決まったり、全く新しい発想が生まれる。なんてこともあるんだとか。
取材陣もDSを持ってきて参戦したかったんですが、生憎装備から外して来てしまっていました。無念です…!
ジェイ
さて、ここまで読んでくれた人、もうドワンゴに行ってみたくてたまらなくなってはいないか?
安心して欲しい。俺たちが「どんな人に会いたがっているのか?」については、この後 Mr.伴 がしっかり教えてくれているから、ぜひ読んでいってくれ。
ジェイさん、ナイスつなぎコメント有難うございます。
作れる人より作りたい人。もっと良いのは作って失敗した人

伴 龍一郎
「ニコニコ動画モバイル」の開発責任者や、アニメ事業部の副部長を務める。現在はプラットフォーム事業本部本部長代行を務め、「ニコニコ静画」や「クリエイター奨励プログラム」、「ニコニコ超会議」の企画推進の他、「女子マネ弁当」のプロデュースも手がけた。
というわけでラストはドワンゴの欲しい人材と、これからの挑戦について。ニコニコ大百科(仮)でもおなじみ(?)伴 龍一郎さんがビシっと言い切ってくれました。
伴
ドワンゴでは、作れる人よりも「作りたいと願う人」を積極的に仲間にしていきたいと思っています。
何より欲しいのは「作ったけど上手く行かなかった人」ですね。
作れる人は確かに即戦力だけれど、そればかりを求めてしまっては会社の雰囲気も風土も何も作り出せない。だから「作りたい人」が欲しい。
それはわかるような気がしますが、「作ったけど上手く行かなかった人」を欲しいとするのはどういった理由からなのでしょう?
若干混乱気味の取材陣に伴さんはさらに語ってくれます。
伴
上手く行かなかった人はより多くを学んでいて、そしてその知識の活かそうと、言わばハングリーな精神を持っている。
創設以来3回もメイン事業を切り替えてきたドワンゴみたいな会社には、そういった気風が最もよく合うんですよ。

自社のことを「弱者の戦い方を常にしてきた会社」と言う伴さん。
社員数百名を抱え、上場を果たし、一般的に見れば「大きな会社」となった今も、アタマと知恵を使って勝負を挑む「弱者の戦い方」が好きだし、ドワンゴらしいと自信満々に語ってくれました。
"守りに入ったエンタメ企業なんて面白くない"
言うのは簡単でも、実際にそれを実行するために数百名規模の社員のモチベーションを高レベルで維持することは容易では無いはず。
そんな戦い方を長期に渡ってドワンゴが続けてこられた背景には、社員の自主性を重んじ、自由な発想を歓迎する社風があったのかも知れませんね。
ドワンゴが見据える"定まらない未来”の形

これまで「ミドルウェアゲーム制作会社」⇒「着メロ配信会社」⇒「動画配信サービス運営会社」と事業拡大を連続して行い、常に変革を続けてきた会社であるドワンゴ。
伴さんに聞いてみたところ、やはりというかなんというか、今後もドワンゴらしく変化をつづけていくとのこと。
伴
・・・まだ全然言える段階じゃないんですけどね?
そう言いながらも、ものすごく楽しそうに話す伴さんを見ていると、全然転職する気なんて無いはずの僕まで「その未来一緒に見てみたい!」なんて思ってしまいます。
転職する気なんて全然無いのに。不思議ですね。
いや本当に。そんなつもりは…無いんですよ…?
おまけ ― 女子マネからのお願いと後記

まるで小さなベンチャーがいくつも集まったような、いい意味で「大企業らしからぬ会社」としてのドワンゴを見れたことは、取材させていただいた僕らにとっても大変学びと気付きの多いものになりました。

引越し蕎麦(の残り)もちゃっかりいただきました。
別に女子マネからお願いされたわけでも何でもありませんが、もしこの記事を読んで「おもしろい会社だな」と感じていただけたら、ぜひ「この会社を応援する」ボタンでシェアしていただければと思います。
また来ます。今度は履歴書を持って…!
ドワンゴの会社概要
会社名 | 株式会社ドワンゴ |
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代表者 | 代表取締役社長 荒木隆司 |
設立 | 1997年8月6日 |
所在地 |
〒104-0061
東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー |
事業内容 | ネットワークエンタテインメントコンテンツ及びシステムの企画 開発、運用、サポート、コンサルティング |
撮影/執筆/編集:Find Job !×LIG会社訪問部(中村けんた/永井ゆうせい/柳さわすけ)